福井の行政書士が解説!利用規約の「合意管轄」って何?
皆さん、こんにちは!福井の行政書士、久所です。
最近、オンラインサービスや契約書で、こんな一文を目にしたことはありませんか?
「本契約に関する紛争は、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とします。」
この「専属的合意管轄裁判所」、一見すると難しそうですが、実はあなたの生活に深く関わる、とても重要なルールなんです。
今日はこれを分かりやすく解説しますね。
専属的合意管轄裁判所とは?
簡単に言えば、「もし裁判になったら、どこの裁判所で争うかを事前に決めておく約束」のことです。
通常、裁判はトラブルの相手がいる場所で行うのが原則です。でも、もし契約を結ぶときに「裁判はAという裁判所でやりましょう」と当事者同士で約束しておけば、その約束が優先されます。
この約束のことを「合意管轄」と呼び、さらに「他の裁判所は選べませんよ」と限定するものが「専属的合意管轄」です。
利用規約での法的拘束力は?
利用規約は、サービスを利用する際の「ルールブック」です。
私たちがサービスを利用する時点で、このルールに「同意した」とみなされ、契約の一部として法的な効力を持ちます。
つまり、利用規約に「東京地裁で裁判をします」と書いてあれば、原則として私たちは東京地裁で裁判を起こす必要がある、ということです。
「合意管轄」のメリット・デメリット
不利な点:遠いよ!大変だよ!
もしあなたが福井や北海道、九州に住んでいるなら、東京地裁まで行くのは本当に大変です。
- 交通費と宿泊費の負担が大きい
- 移動時間と労力が無駄にかかる
- 少額のトラブルでは、費用を考えて泣き寝入りしてしまう可能性がある
この条項は、利用者、特に遠方に住む方にとっては非常に不利だと言えるでしょう。
有利な点:意外なメリットも
もちろん、良い面もあります。
- 予測可能性が高い: 裁判所が最初から決まっているので、双方が準備しやすい。
- 企業の負担が減る: 全国からの訴訟を一つに集約することで、企業は効率的に対応できます。これによりサービスの安定供給にもつながります。
- 裁判の安定性: 紛争額が140万円以下であれば簡易裁判所でも裁判はできますが、利用規約で地方裁判所と指定することで、より複雑な案件に対応できる専門家が担当することになります。
東京地裁は特に商事・IT関係など複雑な事件も豊富で、判断が安定しやすいとも言われます。
結局、どうしようもないの?
利用者側がこの条項を一方的に拒否するのは、現実的にはかなり難しいのが現状です。
利用規約に同意しなければサービスを利用できませんし、「裁判所を変えてほしい」と個別に交渉しても、応じてもらうことはまずありません。
これは、全国規模のサービスをスムーズに運営するための、いわば「必要経費」のようなものだと考えるのが現実的かもしれません。
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